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おみおくりの作法 [映画のこと]

主人公・メイさんは、ロンドン市ケニントン地区の民生係。
ひとりきりで亡くなった人を弔うことが仕事だ。

20年以上、とても真摯に仕事と向き合ってきたのに、
人員整理で解雇を言い渡されてしまうメイさん。
アパートの向かいの部屋で亡くなったビリー・ストークの案件が最後になる。

おみおくりの作法.png

数年前まで定期的GYAO!が配信していたのだけど、
最近やらなくなってしまって残念。
原題は「Still Life」、静物画という意味らしい。

そんなタイトルの通り静かな作品なので、
地味でつまらないというレビューもあるし、
ラストも賛否わかれているみたい。


私はメイさんの最後の仕事、大冒険になったと思うんだけどな。
ビリー・ストークのソファの応急処置の仕方とか、
(壊れた脚の部分に、本を重ねて高さを合わせてあった)
ホットチョコレートを飲んだり、
訪ねた先で用意されていた夕食がすてきだったり、

小さなエピソードひとつひとつが、
とても丁寧に扱われていて、ユーモアもあって。
亡くなった人とも友人になれると気づかせてくれる。


やっぱり何度観ても、私はいいラストだと思う。
これはハッピーエンドだと思う。

(2013年/イギリス・イタリア/91分)

nice!(10)  コメント(4) 
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コメント 4

青山実花

これはいい映画でしたね。
私も、ラストがとても好きです。
メイさんは、報われたのだと思います。

ところで、こちらのブログを読ませていただいて、
最近のニュースを思い出しました。
大好きな作家の西村賢太が亡くなりましたね。
(他人とは思えないので、呼び捨てにさせてください)
賢太には身寄りがなく、
このまま、誰も名乗り出なかったら、
葬儀は、北区が執り行うと記事にありました。
数年前、ご両親の居場所が分かった事や、
あと、お姉さまがおられる事などを、
本で何度も書かれていますが、音信不通だったのでしょうか。

賢太は、敬愛してやまない作家・藤澤清造さんのお墓の隣に、
自分のお墓を用意していましたね。
彼の死に様も、
ある意味、この映画と同様、
彼らしいと思っています。

by 青山実花 (2022-02-12 09:36) 

yonta

☆青山実花さん
いい映画、ラストもよかったですね(^^
メイさんの人生は素晴らしかった。

西村賢太さん、本当に驚きました。
そして、青山さんどうされてるかな、と思いました。
(大好きな作家さんで、賢太と呼んでいるって、
 うかがっていましたし)
自分がいいと思う場所にお墓を用意していたなんて、
メイさんと同じですね。

西村賢太さん、一時期よくテレビに出られていたので、
なんとなく雰囲気がわかる作家さんですが、
稲垣潤一さんとの対談が印象に残っています。
稲垣潤一を聴く西村賢太、イメージになく意外だったので。
表現がよくないかも、ですが、
西村さんの訃報に、昭和の作家の生きざま、
という言葉が浮かびました。
by yonta (2022-02-12 20:09) 

のらん

西洋版の「おくりびと」って感じなのかな?
載せていただいてる写真が、ほのぼの笑顔で〜♪
こういうところも、日本と西洋の死生観の違いなのか?!
私は、死は、終わりであって始まりである、と思うので、
「亡くなった人とも友人になれる」って楽しい考え方だな(^.^)
by のらん (2022-03-05 08:08) 

yonta

☆のらんさん
そうですね(^^行っていることは「おくりびと」のようで、
でも淡々と静かな、すてきな作品です。
死が終わりであり始まりなら、残された側は寂しさが、
逝ってしまう側は恐怖がやわらぐかも…そうかあ。。

by yonta (2022-03-06 09:47) 

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