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地球へ2千万マイル [映画のこと]

ハリーハウゼンの作るクリーチャーは、どれも魅力的だけれど、
本作の主役、怪物のイーマはちょっと別格かも。

たまごの状態で金星から連れてこられたイーマ。
こんなに哀愁ただよう怪物、他にいないと思う。

地球へ2万マイル.png

でも考えてみたら、地球で生まれたのだから、
知らない星に連れてこられて寂しいとか、そういう感情はないのかもしれない。
こちらが勝手に想像して、悲しそうだと思っているだけかもしれない。

いやいや、生まれてすぐ人間から追われる身になり、
馬や羊も、イーマが何もしていないのに、その姿に驚いて逃げ出す。
やっぱりひとりぼっちだから、寂しいじゃないか。

映画としては、あんまりおもしろくないけど、
イーマの心に寄り添いたくなる。


この映画、モノクロ版と、2007年に作られたカラーライズ版がある。
これが後から着色したとは思えないくらい自然でびっくり。

モノクロも、趣があっていいけど、
ハリーハウゼン、本当はカラーで撮りたかったそうで。
見比べると舞台であるイタリアの風景は、カラーの方がいいと思った。
女の人たちが洗濯してるシーンの色がすてきだったな。


モノクロでもカラーでも、
イーマは悲しそうなまま懸命に生きていた。
ハリーハウゼンの映画は、
俳優陣よりも作り物である彼らの方が、生きている感じがする。

(1957年/アメリカ/83分)


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Q10 [テレビのこと]

最近よくGYAO!で配信されている大好きなドラマ。木皿泉脚本。
2010年10月期のドラマなので、もう11年以上前か。
そんな前だっけと思ったけど、
確かにみんなガラケーを使っている。


高校3年生の主人公・平太のもとへ、
Q10(キュート)という女の子のロボットがやってくる。
というと、なんか突拍子もない感じがするけれど、
木皿さんの描くドラマには、美しすぎない温かい家庭がいつも出てくる。
若者と大人たちの会話がちゃんとある。
古き良き日本、昭和の香りもするので、案外大人向けのドラマかも。

Q10.png

主役は佐藤健と前田敦子、他キャストもとても豪華。
高畑充希、賀来賢人、池松壮亮、岸井ゆきの、柄本時生、
まだまだみんなかわいい。
薬師丸ひろ子、白石加代子なんて大御所も。


魚眼レンズ越しの風景がよく出てくるのだけど、
これは、ロボットであるQ10の目を通した景色なのかなと思う。
生まれたての赤ちゃんのような彼女の目に映る空はどこまでも広く、
雲や鉄塔はとてもきれいで、ずっと眺めていたくなる。
そうか、思っているより世界は美しいのかもしれないな。

(2010年10月期ドラマ‐全9話/日本テレビ)
☆2022年3月12日現在、GYAO!やTVerで配信中

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