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地球へ2千万マイル [映画のこと]

ハリーハウゼンの作るクリーチャーは、どれも魅力的だけれど、
本作の主役、怪物のイーマはちょっと別格かも。

たまごの状態で金星から連れてこられたイーマ。
こんなに哀愁ただよう怪物、他にいないと思う。

地球へ2万マイル.png

でも考えてみたら、地球で生まれたのだから、
知らない星に連れてこられて寂しいとか、そういう感情はないのかもしれない。
こちらが勝手に想像して、悲しそうだと思っているだけかもしれない。

いやいや、生まれてすぐ人間から追われる身になり、
馬や羊も、イーマが何もしていないのに、その姿に驚いて逃げ出す。
やっぱりひとりぼっちだから、寂しいじゃないか。

映画としては、あんまりおもしろくないけど、
イーマの心に寄り添いたくなる。


この映画、モノクロ版と、2007年に作られたカラーライズ版がある。
これが後から着色したとは思えないくらい自然でびっくり。

モノクロも、趣があっていいけど、
ハリーハウゼン、本当はカラーで撮りたかったそうで。
見比べると舞台であるイタリアの風景は、カラーの方がいいと思った。
女の人たちが洗濯してるシーンの色がすてきだったな。


モノクロでもカラーでも、
イーマは悲しそうなまま懸命に生きていた。
ハリーハウゼンの映画は、
俳優陣よりも作り物である彼らの方が、生きている感じがする。

(1957年/アメリカ/83分)


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コメント 4

のらん

こういう映画は観たことないんだけど〜
この子は、異形で、みんなに排除されちゃうんだね〜
そういえばゴジラも放射能で異形になっちゃった、悲しき怪物。。
しみじみと「自分として生きる」ことが難しい世界を思う。。
by のらん (2022-03-26 07:47) 

青山実花

哀しみを感じさせる生き物・・・
胸がきゅんとなりそうです。
ジャケットだと、イーマは、
象さんと同じくらいの大きさに見えるのですが、
やはり、かなり大きいのでしょうか。

アマゾンだと、
モノクロが有料で、カラーが無料のようですね^^
300円払ってもいいから、
両方観てみたい気がします^^

by 青山実花 (2022-03-26 10:59) 

yonta

☆のらんさん
人間の都合で犠牲になったのは、
ゴジラもキングコングも、本作のイーマも同じですね。。
見た目なんて、ほんとうはどうでもいいことなのに、
そこはなかなか進歩できないのが、悲しいですね。

なんて、しみじみしてしまいましたが、
イーマは造形も動きも素晴らしいです!
作り手の愛が伝わってきます(^^♪

by yonta (2022-03-26 12:00) 

yonta

☆青山実花さん
お話は、正直つまらないのですが(笑)、イーマが素敵で。
イーマはすごく小さく生まれて、どんどん大きくなって、
ゾウさんと格闘できるサイズになります(^^;

Amazonの配信、謎ですよね。
本作の他にも、同じ作品なのに無料と有料があったりしますし。。
カラーライズ版、私はいい意味で
作り物感が伝わってきて好きなのですが、
レビューを見てみると、モノクロの方がいいという方もいて。
もし機会がありましたら、見比べてみてください(^^♪
by yonta (2022-03-26 12:20) 

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