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狐の呉れた赤ん坊 [映画のこと]

なんとも単純なストーリー。
酒好きで喧嘩っ早い川越人足が、
捨て子を育てていくうちに、まっとうな父親に成長していく。

なのに、なんていい映画なんだ。


チャップリンの「キッド」(1921)を意識して作ったのでは、
と言われているのだとか。


狐の呉れた赤ん坊.png


主人公の寅八は阪東妻三郎。
人情喜劇なので、阪妻のくるくる変わる表情が楽しい。
捨て子の善太を、ちっちゃな津川雅彦が演じている。


そういえば今年、田村正和が亡くなって、
「古畑任三郎」の津川雅彦がゲストの回を再放送していたっけ、
とふと思い出した。
(古畑はこの回と、鈴木保奈美の回が一番好きです)


最初は、赤ん坊なんて育てられないって歓迎していないふうだったのに、
人足仲間たちとみんなで育てていく流れが、コミカルで温かい。
なんなんだ、演技力?演出がよいの?

善太が熱を出した時、寅八に担いで連れてこられた医者が、
張り子の虎の頭をポン、とやって微笑む。
このお医者さん、セリフがないの。
無声映画の名残なのかな。いいシーン。


終戦直後に公開された日本の宝物のような作品だと思う。
それと阪妻って、足もキレイなんだなあ。

(1945年/日本/85分)
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