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サスペリア [映画のこと]

子どもの頃、テレビでやっていたのをうっかり観てしまい、
もう一生と観ないと誓った映画。

『決してひとりでは見ないでください』というコピーが有名だったホラー。

当時、夜中トイレに行けなくて困って、
観た事実を消して、映画のタイトルも忘れたいくらい、もう本当に怖かった。

それでも何十年も経つと、やっぱり怖いもの見たさで。


ビビりながら観てみた結果、さすがに昔ほど恐怖は感じなかったけれど、
怖かったシーンの記憶はかなり正確で、
まっさらな子供の心に刻まれたモノって、まさに"刻まれている"のだと思った。
今じゃ先月観た映画の結末を忘れてしまうことも珍しくないのに。

それにしても、ストーリーがしっちゃかめっちゃかで驚く。
しかも、けっこう中だるみしていて、あやうく寝そうになる。
序盤に散りばめられた謎が、散らばったまま終わってしまった。

でも、怖がらせようとする演出にはニヤリとさせられる。
真っ赤な学校に、薄暗すぎる廊下。
どしゃ降りの雨は赤や緑のライトに彩られ、
雷に照らされた木の幹に、鎌を振り上げたような影が映る。
本物の幽霊が映っている、と話題になった(これも演出だそう)タクシーのシーンに、
不安定なゴブリンの音楽が繰り返し流れる。


本作の監督、ホラー映画の巨匠・ダリオ・アルジェント。
ウィキペディアによれば、ベジタリアンなんだそう。
菜食主義者がサスペリア。
大きなお世話だけど、イメージじゃないなあ。

あまりにも独特なサスペリアの世界。
そこに愛が感じられて、なんだか微笑ましかった。
(1977年/イタリア/99分)



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